『ブルーピリオド』が読者を魅了する5つの理由を解説!あらすじやキャラクター紹介も
漫画大賞2020で栄えある大賞を受賞し、一般の読者だけではなく漫画業界からの評価も高い、美術を題材に心揺さぶる倫理的なストーリーが話題の『ブルーピリオド』。
絵を描く楽しさに目覚めた男子高校生の主人公が、美術大学の受験に奮闘する姿を描いた作品です。
「美大の受験って普通の大学受験と何が違うの?」と思われる方も多いはず、そんな意外と知られていない美大を志す高校生の“リアル”を描いた本作をご紹介いたします。
※当記事は一部ネタバレを含みます。
『ブルーピリオド』ってどんな作品?
『ブルーピリオド』をまだ読んだことがない方向けに、コミックを所有している筆者が簡単にご紹介いたします。
近年の人気漫画のランキングで上位にランクイン!アフタヌーンで今注目の作品
月刊「アフタヌーン」にて2017年8月号から連載中で、2020年10月現在で単行本8巻まで発行されています。
作者の山口つばさ先生自身が、都立芸術高校から東京藝術大学へ進学し卒業しておられるので、ある程度のフィクション性はあるかと思いますが、先生の実体験に基づくであろう本作のリアリティーは言わずもがなです。
主人公の美大受験に対する心情や、美術業界のアレコレが緻密に描かれています。
『ブルーピリオド』のあらすじ
主人公で高校生の矢口八虎は、特に打ち込めるものがなく毎日退屈な日々を送っていました。
ある日、美術室で美術部員が描いた一枚の絵の凄さに衝撃を受け、八虎は思わずその絵に見とれてしまい心を震わせます。
美術室で見た絵に感化された八虎は、美術の授業で風景の絵を描いてみると、それが友人たちから好評を得ます。
八虎は絵を描く面白さを知り、高校生活で初めて充実した感覚を覚えました。
それから美術部に入部した八虎は、ちょうど進路希望を決めるタイミングだった事も相まって、競争率200倍の美大を目指すことを決意します―――。
『ブルーピリオド』の価格について
『ブルーピリオド』は紙の単行本と電子書籍版コミックスが販売されており、Amazonでは紙版が693円に対して電子書籍版が660円と、電子版のほうが安い価格設定となっています。
執筆時点では8巻まで発売しているので、電子書籍版のほうが240円ほど安く読むことができます。
『ブルーピリオド』に登場する主要なキャラクター
『ブルーピリオド』に登場するキャラクターの特徴についてご紹介します。
矢口八虎(やぐち・やとら)
成績優秀でクラスでの友人関係も幅広い高校2年生。
金髪で耳にはピアスをしており、未成年であるにも関わらず飲酒をするなど素行が悪い一面もますが、実はそれは友人たちとの人間関係を円滑にするための偽装で、その裏ではしっかり勉強をしています。
何事も要領よくこなす万能タイプで、運動もそこそこできますが陸上競技は嫌いな模様。
美術部へ入部後、自分の美術との向き合い方に思い悩みつつも、真剣に美大を目指していきます。
鮎川龍二(あゆかわ・りゅうじ)
八虎と同級生の美術部員で心が女性の女装男子。容姿端麗な顔立ちで、学校では男子からも女子からも人気が高いです。
勉強は苦手で、本名の下の名前で呼ばれることを嫌い、周りからは「あユカわ」の真ん中の二文字のユカちゃんと呼ばれています。
八虎とは何でもズバズバ言える仲で、ケンカになる事もしばしばありますが、なんだかんだお互いに気遣い合って、ともに美大を目指しています。
高橋世田介(たかはし・よたすけ)
美大専門の予備校に通う天才肌の少年。
八虎とは同い年だが背が低く童顔で、見た目は年齢より幼く見えます。
美術学生としては、技術も才能も八虎より勝っている八虎のライバル的な存在です。
美術をやる人間にいがちな偏屈な性格で、愛想が無く他人とのコミュニケーションは苦手な様子。
なので友達もおらず、いつも独りでいます。
森先輩(もりせんぱい)
美術部の部長で八虎の1コ上の高校3年生。
小柄な女子で普段はおとなしい性格ですが、絵を描いている時の集中力は凄まじく、周りが気迫を感じるほどです。
八虎が美術に興味を持つきっかけになった絵を描いたのが彼女で、美術部でも一番絵が上手い部員です。
難関である武蔵野美術大学に見事推薦合格し、大学生になってからも八虎の憧れの存在であり続けます。
佐伯先生(さえきせんせい)
八虎の高校の美術教師で美術部顧問。初老の女性教師で物腰こそ柔らかいですが、微笑みなから物事の核心を突いてきます。
美大出身で八虎に美大受験の難しさを教えますが、同時に楽しんで絵を描くことも進めます。
人それぞれの個性や感性を重んじていて、八虎の偏った考えも真っ向から否定はしないで、優しく的確なアドバイスをしてくれる素敵な大人です。
『ブルーピリオド』の5つの魅力をご紹介
ここからはもうちょっと内容に踏み込んで、『ブルーピリオド』が読者を魅了するポイントを5つに分けて解説していきます!
美術の道を志す高校生の青春物語
主人公の八虎は、学業も悪友との友達付き合いも要領よく両立させていますが、どちらも高校生としてのノルマを効率よくこなしているだけであって、実際は中間テストの成績を褒められても虚しさを感じていました。
そんな彼が、美術の世界に“本当の自分”を見出して打ち込んでいくわけですが、高校生2年生という進路を決めなければいけない時期と重なってしまいます。
それに伴う経済的な負担をかける親への体裁を気にしながらも、自分の信じた美術の道に情熱を注ぎこんでいく姿が、多くの読者の共感を呼んでいる事は間違いありません。
東大より難しい大学に挑む姿に心打たれる
八虎が目指すのは「東京藝術大学」という大学で、これは漫画の中での架空の大学ではなく東京に実在する大学です。
日本で唯一の国立総合芸術大学であり、多くの著名な芸術家を世に排出した、世界的にも有名な芸術大学です。
普通の大学と同様に美大にも様々な学部・学科があり、八虎は最初に見て衝撃を受けた森先輩の絵が油画だったこともあって油画を専攻します。
東京藝術大学の油画の絵画科は、日本一受験倍率が高い学科とされていて、二浪四浪が当たり前で、高校生が現役合格するのは実質倍率200倍というから驚きです。
ちなみに作者の山口つばさ先生は、この東京藝術大学になんと現役合格されています。
す、凄いぃ!
そんな超狭き門を目指す主人公を、読者は応援せずにはいられないですよね。
今の自分のレベルを思い知らされる
八虎が絵の描き方に行き詰っていたある日、佐伯先生から美術の予備校の存在を知らされます。
興味を持った八虎は龍二とともに予備校に通い始めます。そこで八虎はライバルとなる高橋世田介と出会います。
彼の圧倒的な画力を目の当たりにした八虎は、自分と世田介のあまりの画力差に萎縮してしまいます。
しかし、最近絵を描き始めたばかりの自分の経験の浅さを省みて、他者と自分を比較するのではなく、自分がまだまだ未熟であることを自覚して、逆に開き直って、楽しんで絵を描くことに気持ちを切り替えていきます。
打ちひしがれても変に弱腰にならない、八虎の柔軟な思考に好感が持てますね。
リアルなタッチで描かれる絵画
漫画として、キャラクターや背景は普通に漫画の線で描かれていますが、中にはデジタル処理で、既存の画像を貼り付けたと思われるものがあるものの、作中に出てくる絵画は他のキャラクターなどとは違って、リアルなタッチで描かれていてメリハリをつけられています。
森先輩が描いた油画は、油画独特の深みのあるタッチで表現されていて、石膏像のデッサンは、デッサン特有の陰影から石膏像の質感を感じ取れるほどリアルです。
読者もその絵画を実際に見たような感覚に捕らわれるので、作中の登場人物と同じ主観になって、そのシーンの絵画に対してより臨場感を味わえることでしょう。
美術のハウツー要素が盛りだくさん
本作は美術の道を志す高校生の画家としての成長を描いていますが、それと同時に美術のハウツー要素も多分に含まれています。
作中の随分に効率的な絵の描き方や美術業界のノウハウが、分かりやすく説明されているので、読者はストーリーを楽しみながら、作中の高校生たちと一緒になって美術を学べちゃいます。
今実際に美大受験を志している方はもちろん、これから絵を描き始めてみたいと思っている初心者の方にも、テキストだらけで小難しい専門用語が並ぶ美術教本より、本作の方が敷居が低くて、とっつきやすいのではないでしょうか。
ブルーピリオドを読んだ人の感想
ブルーピリオドを読んでいると色々と考えさせられることも多いですが、ブルーピリオドを読んだ他の人の感想などもご紹介していきたいと思います。
【ブルーピリオド】
美術に全く縁の無かった高校生が、とあるきっかけで東京藝大を目指す。☑️主人公の苦悩や葛藤に激しく感情を揺さぶられる
☑️美術作品の見方が変わる
☑️自分で決めた道に対し、一切妥協を許さず挑戦し続けたくなる最高の美術系スポ根青春漫画!
全人類にオススメしたい😭✨ pic.twitter.com/o7sDwBIHA9— ♏️はらでぃー@プリケツ伴奏者 (@haradaybyday) October 18, 2020
ブルーピリオド見ると、ほんと、自分何やってんだろってなる
— りお。🐇🎩🕒 (@Rio__maru) October 28, 2020
『ブルーピリオド』
芸術のスポ根って感じなんですけど、
主人公の精神的、技術的成長が感じられて、バトルものとはまた違う楽しみがあってオススメです✨
読み終わったら、めっちゃ絵が描きたくなる感じです笑笑#ブルーピリオド #おすすめ漫画 pic.twitter.com/z3AUtZbfDE— 誰かを沼にはめたい。 (@Co_mic365) October 28, 2020
領木さんにお借りしたブルーピリオドを8巻まで見ました!
いや〜アナログ絵が描きたくなるぅ!
しかし、夢の内容が芸大の時のもので良い気分ではなかった笑— みかみ@んぬ (@RwCqt) October 28, 2020
ながやまこはるちゃんがブルーピリオド面白いって仰っていたので電子で一巻だけ買ったら激アツですわ!ついつい私大人買いしましの!8巻は特装版探してますわ…。 pic.twitter.com/Pd7wYx7njW
— 雌蛸 (@mesutako) October 26, 2020
ブルーピリオド/山口つばさ
ゾクゾクする漫画ってたまにあるけどこれもまさにそう
ゾクゾクするしワクワクする pic.twitter.com/ZGxxZ0elA2— Yup (@c9Ewbvad9wm9Ui9) October 28, 2020
アニメ私塾のシンプルに絵が上手くなるためのツイートは為になるけど、教育に関係することはなぜかもやる。わからない。アート美術に対する考え方はブルーピリオドの最新巻がとても府に落ちたのでおすすめ。
— ぶーぐち (@smy_black) October 28, 2020
ブルーピリオド8巻読了。
美大受験及び美大ファイン系事情は非常にリアルに描かれているけど、私はこのレベルまで掘り下げられていなかったなーというのが毎回の感想。
スペシャルサンクスには美大をテーマにした予備校型アートコレクティブ、パープルーム梅津庸一さんの名も。 pic.twitter.com/zaYwHfIrKh— ソーダケーキ (@SodaKeik) October 13, 2020
まとめ
今回は『ブルーピリオド』についてご紹介してきましたが、実際に読んでみたい!と感じた方は電子書籍版なら気軽に無料で試し読みができるので、冒頭部分だけでも読んでみてください。
キャンペーンによっては1巻無料で読めたり、通常よりも安く販売されていることもあるので、電子書籍がおすすめ。
特にDMM電子書籍の50%OFFクーポンを使えば、全巻半額で揃えることができるので、大人買いする方はDMM電子書籍を検討すると良いかと思います。
※実際の情報とは異なる場合がありますので、詳細は各WEBサイトをご覧ください。
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